洛陽の4月はボタンの季節であり、高貴で優雅なボタンが咲きほこり、内外の観光客を迎える。ところが、もともと人目につかない断崖絶壁に咲き、妍を競うともなかったこの花がなぜ注目され、「花王」と言われるようになったのだろう。
煬帝に好かれて晴れ舞台に
白はもともとボタンが有する色であるが、現在、人工的育成により、洛陽のボタンは赤、黄、緑、白、紫など9つの色、計1200余りの品種がある(写真・趙鮮赤)ボタンの大規模栽培は隋代にさかのぼる。605年、煬帝は都・洛陽を建設する際、帝室の庭園「西苑」の造営にも着手した。煬帝は各地に人を派遣して、全国各地の珍しい花や石を探させた。その中で、煬帝が最も気に入ったのが、花びらが大きく、色が鮮やかであり、しかも上品で艶やかなボタンだった。そこで、西苑の至るところにボタンを植えるように命じた。それをきっかけに、全国から園芸師が洛陽に集められ、ボタン栽培に工夫を凝らすようになった。唐代になると、洛陽の経済が盛んになり、ボタンは宮廷のみならず、民間でも非常に好まれ、家庭でも欠かせない花となった。
2400年以上前に編さんされた中国最古の詩集『詩経』には、恋に落ちた若い男女を描写した「芍薬(シャクヤク)を以って贈る」という詩がある。ボタンとシャクヤクは同じボタン科で似ているが、今では違う植物として分類されている。ボタンとシャクヤクの区別を付けていなかった古代、ボタンは観賞用の花だけではなく、愛情の花でもあったことが知られている。東晋の画家・顧愷之(約345〜406年)が描いた『洛神賦図』は、三国時代の才子・曹植(192〜232年)の理想的な愛情を具象化したものであり、ボタンを描いた最初の中国画だ。ボタンは今でも依然として愛情の証であり、2004年から全国統一結婚証明書の表紙にもボタンのデザインが採用され、円満で幸せな家庭を象徴している。1994年、中国花卉協会は中国国花選出大会で「ボタンを中国の国花とする」と決めた。まだ法定の国花ではないが、中国人の間で、早くから「国の花」と言えばボタンだった。ある意味では「国民の花」とも言えよう。
1300年前、遣唐使が日本に持ち帰ったボタンの花は日本各地で美しく咲き誇っている。鳥根県・大根島は日本最大のボタン生産基地であり、総面積6.5平方キロのこの小さな島には3000人余りの住民が住んでいる。その中には、ボタン栽培を代々受け継いでいる農家も多く、日本文化の特徴を持つ300種以上の新種も生まれている。世界ボタン栽培史において、これらのボタンは「日本系」として独自の名称が付けられている。
断崖絶壁でたくましく咲く
きらびやかな花を咲かせ、華麗なたたずまいのボタンは「富貴」を感じさせ、宋代以降、「富貴の花」とたたえられてきた。北宋の哲学者・周敦頤(1017〜1073年)は、『愛蓮説』に「牡丹、花の富貴な者なり」と記した。しかし、「富貴の花」と呼ばれているものの、ボタンはきゃしゃで、弱々しい植物ではない。もともと草木が生い茂る山々に自生していた野生ボタンは今でも断崖絶壁でたくましく成長している。乾燥してやせた黄土高原でもきれいな花をつける。
河南科学技術大学農学院の史国安副院長(51)は、ボタンの植物学上の特性から人間の品格ならぬ「ボタンの品格」を論じている。以下は史副院長のボタン論だ。
ボタンは強権を恐れない。次のような伝説が残っている。則天武后がある冬の日、長安の庭園を散策していた時、思い付きで花々に「すぐ咲きなさい」と命じた。命令を聞いた花々は、一晩で花を咲かせた。ただボタンだけがその命令を無視し、花を咲かせなかった。彼女は怒り、ボタンを洛陽へ左遷した。ボタンは屈服せずに洛陽に着いた途端に昂然と頭を上げて咲き誇った。怒り心頭の則天武后は「ボタンを焼き尽くせ」と命じた。それでも、ボタンは翌年、前にも増してたくましく育ち、華麗な花を咲かせた。
史副院長の話は続く。ボタンは富貴な花だが、開放的で包容力があり、他の花々を排斥しない。もともと秦嶺山脈や太行山脈一帯に生息していたボタンは、山林植物として他の花と共生していた。また、ボタンは一見高慢に見えるが、実は謙虚で常に努力する品格を持っている。養分があればひたすら背が伸びる他の植物と違って、「1尺伸びたら8寸縮む」と言われるように、伸び縮みを調整しながら生きている。冬になって枯れ始めると、背を低くして、養分を枝に移し、翌年もっと美しい花を咲かせるためにエネルギーを蓄える。「命を捨てても花は捨てない」と言われるボタンは、栄養不足でも全力で花を咲かせ、その絢爛豪華な姿を輝かせる。ひ弱に見えるが強い精神力を秘め、粘り強さと生存の知恵を持ち合わせているのかも知れない。
龍門石窟一帯に分布した石・牡丹石、黒い石に綺麗に点在している白か浅い緑の花の模様がボタンに似ているので、「牡丹石」という名を得た
牡丹花茶、咲き盛りのボタンの花びらで特別な技法によって加工されたものである。多種のビタミンやアミノ酸に富み、特に女性向きのお茶である
ボタンはどの部分も宝物であり、観賞用の他に実用的な価値も極めて高い。2世紀ごろ、薬用植物として中国最初の漢方薬の書物『神農本草経』に記載された。干したボタンの根の皮が薬として用いられ、「丹皮」と呼ばれ、解熱や血行改善に効果があるとされる。現在では、用途がもっと広がっている。例えば、花びらを材料にしたクッキー、酒、酢、茶などが作られ、またそのエキスも貴重品だ。種を搾ると不飽和脂肪酸の含有量が多い植物油も取ることができる。ボタンの付加価値はますます高まっているようだ。
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