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植物の繁殖-自殖?他殖?

植物の繁殖-自殖?他殖?

はじめに

 動物の多くは雄と雌とで個体が異なるが、被子植物の多くは同じ個体に雄器官(おしべ)と雌器官(めしべ)を持つ両性花をつける。両性花が自身の花粉で受精する自殖を行っているとすると、非常に強い近親交配といえる。一方で、自殖が出来れば交配相手を探す必要もなく1個体で確実に子供を残すことができる。植物種がどの程度自殖を行っているのか調べた研究では、約10-15%の種が自殖を主に、40%以上の種が他個体と交配する他殖を主に行っていると報告している(Goodwillie et al. 2005)。残りは自殖・他殖ともに行っている種である。

自殖をさける仕組み

 目の前にパートナーがいる両性花をつけるにも関わらず、自殖を避ける仕組みを持つ種は多い。その主な仕組みとして、①自家不和合性、②雌雄離熟、③雌雄異熟、が挙げられる。自家不和合性は自家花粉が柱頭に付着しても、花粉の不発芽、花粉管の雌蕊への不侵入や花粉内での伸長阻害、受精の失敗など生理的に自殖を妨げる機構である。雌雄離熟は雌蕊と雄蕊が空間的に離れていること表している。一般的には、両性花で葯と柱頭のあいだが離れている場合を指すが、より広義では、単性花(雌蕊と雄蕊の片方だけを分化させた花。つまり雄花・雌花に分けられる)も含まれる。雌雄異熟は雌蕊と雄蕊の熟す時期が時間的に隔離されていることを表している。例えばタチフウロは雌雄異熟で、開花初期は雄期(花粉が散布されるが柱頭は閉じており受粉可能な状態にはない)で、開花後期は雌期(花粉散布が終わり、柱頭が開き受粉可能となる)となる(図1)。

図1.タチフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)の雄期(左)と雌期(右)

図1.タチフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)の雄期(左)と雌期(右)

 また自家不和合性と雌雄離熟がセットになった異型花柱性という繁殖システムもある。異型花柱性は、種内に柱頭と葯の位置に多型(二型または三型)が見られる。二型花柱性のサクラソウを例に説明すると、種内に柱頭が高く葯が低い長花柱花、柱頭が低く葯の高い短花柱花の2つの花型を持つ個体が見られ、これら異なる花型間の送粉により種子が稔る(図2)。三型花柱性の場合は、柱頭と葯の高さに3パターン見られ、同様に種子生産には異なる花型間での送粉が必要である。

図2.二型花柱性の模式図(左)とサクラソウ(右)

 異型花柱性を最初に記載したチャールズ・ダーウインは「異型花柱性の生態的な意義は、異なる花型間での有効な花粉の流れを作り出していることだ」と仮説を立てた。つまり、送粉昆虫を介した花型間の効率的な送粉を淘汰圧として進化した他殖促進への適応であると考えられている(鷲谷 2006)。実際に、サクラソウでは送粉昆虫の口吻の付け根には短花柱花の花粉が、先端のほうには長花柱花の花粉が、より多く付着していることが報告されている(Washitani et al. 1994)。
 異型花柱性は、個体群の半分(二型の場合)あるいは1/3(三型の場合)と交配できないため、不利ではないかと思われるが、異型花柱性は28科199属にわたる種で報告されており、少なくとも20回独立に進化したと考えられている(Naiki 2012)。なぜ交配相手を制限してまでも他殖を促進するシステムが何度も進化してきたのだろうか。

他殖のメリット

 異なる個体と交配する有性生殖の利点を説明する説はいくつもあり、ここでは広く知られている

近交弱勢の回避 適応的遺伝子の固定と有害遺伝子の除去 赤の女王仮説

 を紹介する。

上述したように自殖は究極の近親交配だ。他殖を行っていた種が近親交配を繰り返すと、劣性遺伝子という形で隠蔽されている有害遺伝子がホモ接合化し、その有害な効果が表現形質として現れる。これを近交弱勢という。ただし自殖を繰り返している種では、致死的な有害遺伝子を持った個体が死ぬことで有害遺伝子が取り除かれていくので、近交弱勢は弱くなると考えられている。 他殖では、父親と母親の遺伝子がシャッフルされ、多様な組み合わせを持った子孫が産まれる。そのため他個体に生じた適応的な突然変異が集団中に広がりやすく、生存に有利な遺伝子セットの創出が効率的に進む。同時にシャッフルされることにより有害遺伝子の排除も効率的に進む。突然変異はランダムに生じ、中には有害突然変異が含まれる。この有害遺伝子が蓄積されていき閾値に達すると死亡すると考えられるが、死亡することで有害遺伝子が集団内から取り除かれる。他殖では、閾値より少ない有害遺伝子を持つ親同士の交配でも、閾値を上回る有害遺伝子数を持つ子供ができる場合もあり、その子供が死んだ場合、多くの有害遺伝子が集団内から取り除かれる。 「赤の女王仮説」の「赤の女王」とはルイス・キャロルの小説「鏡の国のアリス」に登場する人物である。赤の女王が住む世界では、地面が動き続けているために、その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない。寄生者と宿主の関係もこれに似て、変わり続ける環境(寄生者)に宿主が絶えず適応し続けなければならない。赤の女王はこの状況の比喩として用いられている。寄生者は特定の宿主に感染するが、宿主には感染されないような抵抗性が進化する。寄生者は宿主よりも体が小さくて短い期間で世代を更新するので、宿主よりも早く進化することができる。従って、宿主に抵抗性が進化しても、いずれ寄生者の新たな適応によって感染される。つまり生物は絶えず変化する寄生者にさらされている。このような環境において、有性生殖では、父親と母親の遺伝子がシャッフルされ、多様な形質の子孫が産まれることで、寄生者の大流行を阻止することができる。変わり続ける環境において、世代ごとに多様な遺伝子の組み合わせができることが適応的であるというわけだ。長期的にみても、遺伝的多様性は種の適応進化の基盤であり、環境変動に対応していくために不可欠である。遺伝的多様性が高いほど潜在的な進化ポテンシャルを保有していると考えられている。

自殖のメリット

 他殖のメリットを述べてきたが、冒頭で述べたように自殖を主に行っている種も存在し、自殖にも様々なメリットがある。

隔離された集団などの交配相手が少ない状況や、送粉者の訪花頻度が不安定な環境下では、一個体だけで種子を残せる自殖性は確実な繁殖を保証する。 新しい生育場所に侵入するような場合、1個体が侵入するだけで定着することが可能である。 送粉を他者に依存する場合には、動物を誘因する構造 (花弁や蜜)や十分量の花粉が必要になるが、自家受粉ではそれに対するコストを削減できる。 他殖によって作られた種子では、花粉親と胚珠親は違う個体である一方、自殖によって作られた種子では父親も母親も自分自身である。このことは、他殖より自殖のほうが次世代への遺伝子の伝達効率が 2 倍良い。

 こうしたメリットがあるために、自家不和合性の種においても、交配相手や送粉昆虫が不足している環境では、自殖能を持った突然変異個体が適応的となる。異型花柱性の種においても、野生集団の中には、花柱と葯を同じ高さにもち、生理的にも自家和合で自殖をする等花柱花が見つかることがある。等花柱花は、異型花柱性を支配する遺伝子の変異によって生じる。昆虫による送粉が十分であれば、等花柱花が集団の中に広がることはないと考えられるが、他殖個体の種子生産が悪化すれば自殖能を持った等花柱花が有利になる。自殖性は、遺伝子伝達効率・繁殖保証などの短期的な有利さから集団中に広まるものの、集団レベルの進化ポテンシャルを低下させ絶滅率を高める点で、長期的には不利な性質とも考えられている。自家不和合性の喪失とそれにともなう自殖の進化は「進化のデッドエンド」と言われることもある(Stebbins 1957)。ただし、この予測は十分に検証されているとは言えない(Wright et al. 2013)。

サクラソウ属における自殖の進化

 サクラソウ属では約430種のうち、45種で等花柱花の集団が報告されている(Richards 2003)。系統解析による推定に基づくと、等花柱花は異型花から何回も独立に進化したとされている(Mast et al. 2006)。国内のサクラソウ属は14種12変種知られているが、そのうちクリンソウ、ユウパリコザクラ、ヒメコザクラでは異型花柱性が崩壊しているとされている。筆者はこのうちクリンソウについて調査したことがある。10集団を対象に花の形を計測したところ、葯と柱頭の高さには変異があり、等花柱花が多かったものの、柱頭高が葯高より高い長花柱花のような花型や、その反対の短花柱花のような花型も存在した(図3)。ただし、長花柱花と短花柱花が両方存在する集団は見られなかった。さらに、一部の集団で花に昆虫が訪花しないようネットをかぶせてみたところ、種子が生産されたことから、自殖能を有していると考えられた。これらの集団で遺伝的多様性も調べてみたが、どの集団も遺伝的多様性は低かった。これから先、クリンソウは「進化のデッドエンド」をたどるのだろうか?ただし自殖能を有するとはいえ、開花時期に訪花昆虫が来れば他殖も起こり、遺伝的多様性が維持される可能性もあるだろう。

図3.各集団30-40個体の花の柱頭高、葯高、葯幅を計測

図3.各集団30-40個体の花の柱頭高、葯高、葯幅を計測。異型花柱性の特徴である雌雄離熟の程度を柱頭高-葯高として算出した。葯の幅が2mm弱のため、柱頭高-葯高が0~-2mmの間にある花は等花柱花といえる。

最後に

 なお近年、花粉を運搬する送粉昆虫の減少が世界的に深刻となり(Burkle et al. 2013)、「送粉者の危機 (Pollinator crisis)」と呼ばれている。送粉昆虫の減少は、植物の種子生産そのものを損なうだけでなく、自殖能のある種では自殖が他殖をしのぎ、あるいは自殖の進化が促進され、後代の遺伝的組成の変質をもたらす可能性が大きい。野生植物だけでなく、世界中の作物の約75%が繁殖のために動物を介した送粉に依存しているとされている(Klein et al. 2007)。生態系から供給される「送粉サービス」は、私達の生活においても欠かせないものだ。「稔りなき秋」を迎えぬよう、花だけでなくハナバチやハナアブ・ハエなども愛でていきたい。

参考文献

鷲谷いづみ(2006)サクラソウの目—繁殖と保全の生態学 第2版 地人書館. Burkle LA, JC Marlin, TM Knight. (2013) Plant-Pollinator Interactions over 120 Years: Loss of Species, Co-occurrence, and function. Science 339:1611-1615. Goodwillie C, Kalisz S, Eckert CG (2005) The evolutionary enigma of mixed mating systems in plants: Occurrence, theoretical explanations, and empirical evidence. Annual Review of Ecology Evolution and Systematics, 36: 47-79. Klein AM, BE Vaissiere., JH Cane, I Steffan-Dewenter, SA Cunningham, C Kremen, T Tscharntke (2007) Importance of pollinators in changing landscapes for world crops. Proceedings of the Royal society of London B, 274:303-313. Naiki A (2012) Heterostyly and the possibility of its breakdown by polyploidization. Plant Species Biology 27: 3-29. Richards J (2003) Primula. Portland, Oregon: Timber Press. Stebbins GL. (1957) Self fertilization and population variability in higher plants. American Naturalist 91: 337-354 Mast AR., S Kelso, E Conti (2006). Are any primroses (Primula) primitively monomorphic? New Phytologist 171: 605-616. Washitani I, M Kato, J Nishihiro, K Suzuki (1994) Importance of queen bumble bees as pollinators facilitating inter-morph crossing in Primula sieboldii. Plant Specles Biology 9: 169-176 Wright SI, S Kalisz, T Slotte. (2013) Evolutionary consequences of self-fertilization in plants. Proceedings of the Royal Society B-Biological Sciences 280: 20130133. 東邦大学ムービーギャラリー

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