春の苑紅にほふ桃の花下照る道に出立つをとめ 大伴家持の万葉集の桃の花を詠んだ短歌として有名な作品です。
大伴家持の「越中秀吟」の冒頭に置かれた桃の花を詠った和歌作品の現代語訳、句切れと語句などを解説します。
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読み:はるのその くれないにおう もものはな したでるみちに いでたつおとめ
大伴家持 万葉集4139
春の園が紅に輝いている桃の花の下まで輝く道にたたずむ乙女よ
大伴家持作。「天平勝宝二年三月一日の暮(ゆふべ)に春の苑(その)の桃李(ももすもも)の花を眺矚め(ながめ)て作る二首」の詞書がある、一連12種の1首目の歌。
いずれも傑作と言われている一連の作品の巻頭歌となる。第19巻の冒頭の歌でもある。
大伴家持は当時越中国守として赴任中であり、一連は「越中秀吟」とも呼ばれている。
「紅におふ」というのは、紅が照り映えて見えるという意味。
「下照る」は、桃の花の赤さが、地面を染める様子だが、そこにはをとめがいるため、その下に立つをとめの着物、特にその裾である「裳(も)」もまた赤く照り輝く様子を詠っている。
「赤裳」は他の歌にも用いられる一種の用語。
参考
赤裳(読み)あかも〘名〙 赤い色の裳。
※万葉(8C後)一五・三六一〇「阿胡の浦に船乗りすらむ娘子(をとめ)らが安可毛(アカモ)の裾に潮満つらむか」
この少女は、中西進氏によると「幻影にすぎない」そうで、着想は中国の樹下美人図にあると思われる。
また、前年の秋に伴った坂上大嬢が重ね合わせられているという説もあるが、それ以上に、越中は新潟県であり、都とは程遠い風土にあり、家持はそのようないかにも都でみられるような雅な風景を心に描いたために、この歌が成り立ったと言われている。
大陸渡来の桃花に応じて、また何となく支那の指摘感覚があり、美麗にして濃厚な感じのする歌である。こういう一種の構成があるのだから、「いで立つをとめ」と名詞止にして、堅く据えたのも一つの新工夫であっただろう。―『万葉秀歌』より
一連の他の歌わが園の李の花か庭に散るはだれのいまだ残りたるかも
春まけてもの悲しさにさ夜ふけて羽振き鳴く鴫誰が田にか住む
もののふの八十娘子らが汲みまがゆ寺井の上の堅香子の花
あしひきの八つ峰の雉鳴きとよむ朝明の霞みればかなしも
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