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《Promise~白雪の舞う夜に~》月*桜 ^第5章^ 最新更新:2007

  放課後はいつものアルバイト先であるおやっさんの喫茶店に向かう。

  俺は大体、週に4、5回はこの店で働いている。

  「いらっしゃませ。あ、未来君。こんにちは」

  ドアを開けると元気のいい女の人の声。

  ここでバイトをしている胡桃(くるみ)さんはこの喫茶店の看板娘さんだ。

  おやっさんの娘さんで、はっきり言って全然似てないかなりの美人だ。

  親に似なくてよかったと思うのは彼女の弁だが、それは納得できる。

  いかにも渋い親父って感じのするおやっさんに似てたらそれはショックだろう。

  普段はこの店の手伝いをしているけれど、本職はモデルさんらしい。

  雑誌とかにのるくらいに活躍している人だが、なぜか今はこの県内で活躍している。

  都会の方へでも出れば人気もでるだろうに、もったいない。

  「それじゃ、私は休憩に入らせてもらうわね」

  俺と胡桃さんは交代するようにして休憩に入る。

  エプロンをはずして彼女は店内のカウンター席に座った。

  ちなみにおやっさんは昼間は店の奥で昼寝している。

  起きてくる夕方までは大体俺と胡桃さんだけで店内を切り盛りしてる状態だ。

  この店は村の中でもそれなりに繁盛しているために人の出入りは多い。

  帰りの女子高生もここのケーキ目当てに訪れるために、俺としてはいろんな意味で好都合だったりする。

  おやっさんのコーヒーは作りおきがあるし、胡桃さんなら大体80306E味を再現できるので何も問題ない。

  ちなみに俺はまだ20%も再現できていない。

  日々精進あるのみ、今日もまたおやっさんオリジナルブレンド目指して、コーヒーを調合する毎日だ。

  店が暇な時には俺はコーヒーをブレンドする許可を得ている。

  自分でもいけるんじゃないかと思ったらおやっさんに飲んでもらって判定してもらう。

  ただし、今までのところ全然まともな評価はくれない。

  そもそもベストな配合の仕方など一切教えてくれないのだ。

  自分で自分の納得できる味を探せ。

  それがおやっさんのコーヒー哲学らしくて、俺もそれを見習い頑張ってる。

  しばらくすると数人の女子高生が入ってきた。

  この店の常連の女の子達で俺は軽い挨拶をして注文をとりにいく。

  「今日は何にしますか?」

  「こんにちは、長谷部君。今日はケーキセットBとレモンティーをお願いするわね」

  「わかりました」

  胡桃さん目当ての男の客もいるけれど、やっぱり女の子としゃべる方がいいね。

  いつものように、俺は胡桃さんも交えて雑談していると今日は珍しい子がやってきた。

  「いらっしゃいませ……って、なんだ留美か。どうした?」

  「どうした?ってお客さんに向かってひどいよ」

  「あら、留美ちゃん。いらっしゃい」

  「胡桃さん、こんにちは。久しぶりですね」

  胡桃さんの隣に座った留美はメニューを見てから、

  「ケーキセットのAにシナモンティーとセットにして。未来の奢りね」

  「何で!?」

  「私……今日の朝ものすごく傷ついたの忘れた?無理やり……」

  「ケーキセットAとシナモンティーですね。了解です」

  あぶねぇ、こんな場所でなんてことを言いやがりますか。

  ていうか今朝の事をまだ根にも持っていたのかよ。

  「朝、未来君に何かされたの?」

  「もう聞いてくださいよ、胡桃さん。今日、未来に着替え覗かれたんです」

  泣きまねをしながら、胡桃さんを味方につけようとするな。

  俺はため息をつきながらケーキの準備をする。

  「おい、いかにも人が犯罪したような口調で言うな」

  「したじゃない。私の着替え覗いておいて、そんな事言う?」

  「……お前の同意があっただろ」

  「それは……そうかもしれないけど。でも、あれは未来がずるいもん」

  あんまり蒸し返したくはないけど、俺も悪いが彼女にも非はある気がする。

  とはいえ、今朝の事は俺も罪悪感を感じているので我慢するが。

  「こらっ、未来君。いくら恋人でもあんまりいじめちゃダメだよ。そりゃ、好きな女の子をいじめたいのはわかるけどね」

  「いや、恋人じゃないですから」

  ああ、今日は店内は女の子ばかりだから周りの視線が痛いぜ。

  狭い村だからこそ顔なじみばかりってのも困るよな。

  「どうぞ、ケーキセットAとシナモンティーです」

  「ありがと。これで私の心に負った深い傷も癒される」

  シナモンティーに口をつける留美に俺はどこに傷を負ったのか激しく問いただしたい。

  実際、あれ程度で心を傷つけたとは言えないけれど、下手に怒らすと後が面倒だ。

  俺に出来るのはこうして彼女のご機嫌を取りながら、自分のフォローをする事ぐらいさ。

  「でも、2人はいいわよね。何だかんだ言ってもすぐ仲直りしちゃうし」

  「ただの幼馴染なだけですけどね」

  正確には仲直りではなく俺の譲歩が大概なんですが。

  「ふふっ、そんな事ばかり言って。留美ちゃんの事大切にしないとダメよ?」

  「……はぁ、そういうもんですかね」

  横目でケーキを美味しそうに食べている留美の姿を見る。

  俺の視線に気づいた彼女は幸せそうな満面の笑みで、

  「ホントにここのケーキって美味しい。未来も食べる?」

  フォークで一口サイズにケーキを切って俺の前に差し出す。

  断るのも面倒なので、俺はそのまま口をあけてそのケーキを食べた。

  甘い生クリームが口の中で溶けていく。

  「美味しいな」

  「だよねー」

  「2人ともホントに仲いいのはわかったから、独り身のお姉さんにあまり見せ付けないでくれる?羨ましくなるじゃない」

  「そういうんじゃないんですって」

  ……実際に俺と留美は仲がいいとは思う。

  それこそ、舞以上に……。

  仲のよさ=好意ではないし、俺が舞と仲よくできないのは俺が好きなためだ。

  本気で好きな子には話しかけるのも緊張する。

  デートに誘ったのも気軽に誘える留美とは数が違う。

  そういう意味で俺と舞、留美は微妙な関係ではあった。

  「……あ、そうだ。未来、明日は暇?暇なら舞の誕生日プレゼント買いに行かない?どうせまだ買ってないんでしょ?」

  「ああ」

  俺も土曜日の明日に買おうと思ってたから都合はいい。

  「じゃ、一緒に行くか?」

  「うん」

  留美が俺を好きだと舞は言った。

  それは知ってる、気づいてはいる。

  だから、俺と舞が恋人になるとしたら1番傷つくのは彼女だ。

  それを怖れるがゆえにあと1歩が進めない。

  ……だが、本当にそれだけなのか?

  それだけなら、多少の痛みを伴ってでも俺は決断しているはずだ。

  俺の中で……留美を思う気持ちもあるからかもしれないな。

  俺は自分自身に問いかけながら、留美を横目にコーヒー豆を配合していた。

  俺達の佐間村の隣街、龍道市は俺達の村なんかとは比べ物にならない県内でも大きな市の1つで、電車で15分もすれば市街につく。

  休日ともなれば市内の大型ショッピングモールにもカップルや親子連れで賑わう。

  傍目には恋人にみえるだろう、俺と留美は舞へのプレゼント選びをしていた。

  女の子向けな店を回る留美についていくのが精一杯。

  あれだな、女の子に囲まれるっていうのはある意味怖い。

  なんていうか、女の世界に足を入れるのは宇宙に飛び出す宇宙飛行士並の緊張感と未知との遭遇を体験した気がする。

  「これなんか舞に似合いそうじゃない?」

  舞が手に持っているのは女の子用の髪留めだった。

  ピンク色の可愛い系で値段も悪くない。

  だが、それは舞のイメージとは少しずれている気がした。

  「それって舞には合わなくないか?彼女はピンクと言うよりもブルーみたいな落ち着いた感じの方が似合うと俺は思うけどな」

  「そっか。そう言われてみればそうかもね。よく舞のこと見てるんだ」

  「別にそういうわけじゃ……」

  「それだけ相手のこと見てたんだなって。ねぇ、私は……ううん」

  彼女はその後に続く言葉を誤魔化すかのように、色違いの澄んだ海のように蒼い髪留めを手にしてレジで購入した。

  「これなら舞も気に入ってくれるよね」

  「ああ。それじゃ、次は俺の番だな」

  「未来は何を買うつもりなの?」

  「ちょっとさっき思いついたものがあるんだ」

  俺は留美の案内でその目的のモノがおいてありそうな店に連れてきてもらった。

  案内してもらった店は紅茶の専門店。

  俺はそこでティーポットとティーカップを選ぶ事にした。

  「未来にしては洒落たプレゼントね。何か意外な感じ」

  「喫茶店でバイトしてる身だからな。こういうのには縁があるんだ。それに舞って、前から紅茶好きだったろ。それならって思ってさ。しかし、結構値段はするんだな」

  「ブランド物のティーカップだったらね。でも、だからこそプレゼントしてもらうと嬉しいと思う。私だって未来からそういうのもらったらきっと喜ぶもの」

  結局、お財布と相談した結果、ティーポッドは安めの物、ティーカップをブランド物にして、ついでに誕生会用の紅茶も購入してから、俺達は適当にモール内を歩きまわった。

  変化に気づいたのはほんの些細な触れ合いだった。

  荷物をもってやると言って、紙袋を手渡しされた時に触れた留美の手。

  今まで慣れていたはずなのに、なぜか緊張するような不思議な感覚を覚えた。

  俺と留美は幼馴染としてこれまで付き合ってきた。

  女として意識し続けてきた舞とは違い、どちらかといえば気の合う友達としてみてきた。

  そりゃ、男女と言う意味ではとっくに女として認識している。

  これは恋人とかそういう類の話だ。

  そういう意味では傍にいても落ち着いていられる。

  安心感と言うべきか。

  なのに今、俺は彼女に対して妙な高揚感を抱いていた。

  「なぁ、留美……」

  「何?」

  「いや、なんでもない」

  何といえばいいのかわからない。

  この間の事を気にしているのか、俺は。

  裸までは見てなくても下着姿は見ちゃったしなぁ。

  チラリと彼女の胸元に目をやる。

  可愛い春服の下、すっかりと成長していたその身体を思い出す。

  子供じゃなかった事にショックを受けていたのは俺の方だったわけだ。

  子供のままでいられたらきっと誰も傷つかないから。

  そんな事を考えたりして、俺はものすごい自己嫌悪をしていた。

  「これ可愛くない?」

  彼女が指差したのはよくある露店のアクセサリー。

  留美が気に入ったなら買ってやるか。

  「何か買ってやろうか?」

  「え?でも、私は今日は別に何もないけど……?」

  「いいから選べって。たまには幼馴染を可愛がりたいと思っただけだ」

  「可愛がりたいって、私はペットみたいなものなの?それはそれで……」

  恥ずかしがるような、呆れるような複雑な顔をするが決して嫌そうな顔はしてない。

  彼女はどれにするか一通り悩んだ末に、シルバーチェーンに薄いピンク色をした指輪を通したアクセサリーを選んだ。

  値段もそうしなかったので買ってやった後はすぐにそれを身につける。

  「どう?似合うかな?」

  「ああ、似合うと思うよ。やっぱり、留美にはピンク色が似合うな」

  たまにはこうして幼馴染と遊ぶのもいいな。

  今度は本命の舞とデートできたらいいのに。

  俺には勇気がなくて、彼女を誘う事ができない。

  それは彼女も同じで、実は舞と2人でデートした数はたった数回程度しかないのだ。

  皆一緒なら、それなりの数はあるんだけど……どうにかならないかな。

  帰りの電車に乗っているとふと吊り広告に目が向かう。

  よくある週刊誌の男の興味を引く文字の羅列ではなく、その隣にあった1枚の写真。

  それは俺のよく知る村のある場所の光景だった。

  「何見てるの?魅惑のHカップ、爆乳美少女……って未来はどこ見てるのよ。もうっ、ホントにやらしいんだから。で、でもやっぱり胸は大きい方がいいのかな……?」

  「おい、勝手に誤解して、勝手に決め付けるのはやめてくれ。確かに胸はでかい方がいいけどな。で、本題はその隣の広告。見覚えないか?うちの村にある神社だ」

  「ああ、なんとか文化財って有名な石像があるところだよね。よく知らないけど」

  「……お前、ホントに俺達の村の出身者か」

  国の重要文化財だったか、そんなたいそうなものに指定されている石像がある大嶺神社(おおみねじんじゃ)と呼ばれる場所が俺達の村がある。

  毎年夏になると村全体で大きな祭りが行われる、これはその案内の広告だった。

  「だって、お祭りしか興味ないもの。未来もそうでしょ」

  「まぁ、俺も歴史がある古い祭り程度にしか思ってないけどな」

  「大嶺祭か。お祭りとか花火とか……夏が楽しみだよね」

  「先走りすぎだ。まだ6月にもなってないっての」

  俺は浮かれ気分の留美に呆れるような声で呟いた。

  だけど、俺が気にしていたのはその祭でも神社でもない。

  その神社の近くに夕陽が沈むと村で1番綺麗に見えるベストな場所がある。

  俺だけの秘密の場所。

  その秘密を俺は舞にだけ教えて、2人だけの思い出として共有している。

  そんな過去の出来事をふと思い出していたのだった。

  【 To be continue…】

  ☆次回予告☆
  舞の誕生日会。
  彼女の18歳の誕生日を皆で祝う。
  そんな中、舞と未来はある“約束”を思い出す。
  それは今から5年前。
  まだ中学1年生だった時の同じ日にした約束。
  【第4話:天使の生まれた日】
  誰でもない大切な人と交わした約束。
  過去と今が重なる……。

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